「呼吸」はとても大事です。怒りやイライラを小さくしてくれるのはもちろんですが、場の雰囲気に影響を与えることができるからです。
息を吸うと場の緊張感が高まり、吐くとリラックスムードが作られます。ということは、ゆったりと、吐いている時間が長い呼吸を続けていくことで、場の雰囲気をリラックスさせ、落ち着いた印象を与えることができます。つまり、呼吸ひとつで自分の印象をコントロールできるのです。
呼吸は、意識して速くすることができるし、遅くすることもできます。また、意識しなくても(無意識に)続けることができます。そのため、「意識と無意識をつなぐもの」と考えられています。気持ちを落ち着かせようとすることは難しいですが、呼吸を落ち着かせることは少し意識すれば簡単です。とにかく呼吸を意識してください。
座禅では、「調身・調息・調心」といわれ、身を整え、呼吸を整え、心を整える、という順番で進めていきます。それだけ呼吸が大事であり、呼吸が整えば、自然に心が落ち着いていくということでしょう。
「息づかい」という言葉があります。息を吐いたり吸ったりする様子、呼吸の仕方、調子といわれていますが、自分の息づかいを相手の息づかいに合わせると、相手は”同調”されたと感じ、癒されます。そして、話をどんどんしてくれます。本音を聞き出したいときに息づかいを合わせることは、とても重要なテクニックといえるのです。