今回は、アスリートがどのようにゴール(目標)に到達したか、ひとつのやり方を取り上げます。もちろん、ビジネスにも役立つことは間違いないので、ぜひ実践してみてください。
まず、松坂大輔(現野球評論家)です。彼が小学校6年生のとき、父兄の前でこう言いました。
「僕は、甲子園に出て、優勝します」「僕は、ドラフト1位でプロのチームに入って、そのチームのエースになります」「僕は、100億円プレーヤーになります」
これを聞いた父兄は、大笑いしました。単なる少年の戯言と思ったのでしょう。ところが、みなさんご存知のように松坂は、横浜高校で甲子園大会に出場し、決勝戦でノーヒットノーランの快挙を演じて優勝しました。ドラフト1位で西武ライオンズに入団し、西武のエースになりました。ポスティングシステムですが、110億円というお金が動いて100億円プレーヤーになりました。
ジョニー・ベンチという人がいます。彼が小学校を卒業するときに、「僕はメジャーリーガーになります」とみんなの前で言ったら、大笑いされたそうです。とても背が低い子だったからです。中学を卒業するときに、「僕はメジャーリーガーになります」と言ったら、また笑われました。相変わらず体が小さかったからです。しかし、高校を卒業するとき、「僕はメジャーリーガーになります」と言ったら、誰一人笑いませんでした。そのときすでに全米ナンバー1・キャッチャーになっていたからです。彼はシンシナティ・レッズにドラフト1位指名され、メジャー史上最強のキャッチャーになりました。
ご存知イチローは、小学校の卒業文集にこう書きました。「僕は365日中360日、一生懸命野球の練習をしています。だから、甲子園に出て活躍し、中日ドラゴンズか西武ライオンズに入って、お世話になった人を球場に招待します」。彼の残した足跡は、それどころではありませんね。
ゴルフの石川遼は、同じく小学校に卒業文集に「僕は全米オープン、全米プロ、マスターズ、全英オープンに出ます。そして、日本の賞金王になります」と書きましたが、そのすべてを20歳前に叶えてしまいました。また、サッカーの本田圭佑も「背番号10を付け、セリエAでプレーする」と書き、実現しています。
この5人の共通点は、ゴール(目標)を「宣言」したことです。宣言すると、2つ良い事があります。ひとつは、口にしてしまった手前、恥をかきたくないから、一生懸命取り組むようになります。自分で自分の尻を叩くことになるのです。もうひとつは、宣言することで、周りが動いてくれることです。「そうか、それをしたかったのか」と気付いてくれた人が、手を差し伸べてくれます。逆に宣言しなければ、誰も手を差し伸べてくれません。
ゴール(目標)に到達するために、あなたも今日、「宣言」してみてはいかがですか。