デレク・ジーターに怒られた苦い思い出

執筆者:setoguchi

 私の時代、ヤンキースのキャプテンといえば、デレク・ジーターだ。とにかく、チャンスで打ってくれる。大型遊撃手では考えられない華麗で軽快な守備をする。グリーンの瞳と甘いマスクで、ニューヨーカーに絶大な人気を誇った。

 そのジーターにある日、こんな質問をした。

「オフって、どう過ごしているのですか?」

 今、思えば、なんて間抜けな質問。しかし、スーパースターを目の前にして、この程度の質問しか咄嗟に出てこなかったのだ。

 ジーターはグリーンの瞳をこちらに向け、それでも真摯に答えてくれた。

 「オフ? それはどういう意味かい? オレたちにはオフという言葉はないよ。強いて言えば、オフはユニホームを脱いだとき(現役引退)かな。毎年、シーズンが終わったら、シーズン中より30%は運動量を増やしているよ」

 グリーンの瞳は優しげだが、「オフ」について語るその口調は明らかに怒っている。「なんだ、そんなことも知らないのか」と。しかし、かっこいい。その時以来、私の心の中にM的要素が芽生えたのは間違いない。

 なぜ、ジーターのことを思い出したかというと、大谷翔平と同じ匂いを感じるからだ。

 2人とも野球にすべてを捧げている。服装のセンスが違う(ジーターは常にTシャツとジーンズ)が、「オフ」という概念もたぶん同じだろう。ということは、「結婚」の概念も・・・。

 ジーターは2014年に現役を引退して、結婚したのは「オフ」になった2016年だった。大谷も今、結婚相手がいろいろと取り沙汰されているが、あれだけ野球にすべてを捧げていて、ジーターと同じ匂いを感じることから、結婚は「オフ」になってからではー。

 単なる大きなお世話になってしまって、申し訳ない。

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