2006年に行われた第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、王ジャパンが優勝を果たした。
その記念すべき第1回大会で、忘れられない光景がある。
東京ドームでの1次リーグを終え、2次リーグへ向けてアメリカへ渡った王ジャパン。アリゾナでマリナーズ、レンジャーズ、ブルワーズと練習試合を行い、2次リーグでアメリカ、メキシコ、韓国と対戦した。
忘れられない光景とはこれらの試合前に起こった出来事だ。
各チームのスーパースターたちが、次々と日本を率いる王貞治氏のもとに来て、握手を求め、ハグをして、一緒に写真を撮ったのだ。
誰もが、野球少年のように目を輝かせ、「サダハル・オー」に挨拶をした。
メジャーリーグのファンは、極端な話を言うと、「ホームラン」か「三振」を見るために球場へ足を運ぶ。どこまでも遠くに飛ばす豪快なホームランか、豪速球で奪う胸の空くような三振に憧れる。
したがって、868本と世界で最もホームランを打った男は、これ以上ない尊敬に値する。その思いは、ホームランを打つことがどれだけ大変かを知っているスーパースターたちも同じで、だからこそ、王さんに会いに来たのだ。
このシーンを見て、とても誇らしく感じたことを思い出す。