マイクロソフトを創業したビル・ゲイツ。現在は第一線から退き、世界最大の慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」での活動に力を入れています。このゲイツは読書家として知られています。両親が、彼の幼年期に平日のテレビを禁止し、身近に本を置くようにして、本好きになるように導いたそうです。
一度身についた読書の習慣は、今でも衰えることはなく、就寝1時間前の読書は彼のルーティンになっています。たとえ時間が遅くても読書は欠かさず、読書は「眠りに落ちる流れに組み込まれている」と語っています。
就寝前の読書の効果は、リラックスした状態で眠りに就ける点です。サセックス大学のデビッド・ルイス・ホジソン教授は「読書はストレス解消に効果的」という研究結果を発表しました。喫茶、音楽、散歩よりも、読書のほうがストレス解消の度合いが高いとし、「わずか6分間の読書でも、心拍数の減少や筋肉の緊張緩和の効果が認められた」としています。
6分間というのは、読書をスタートしてから6分後に、ストレスがかかって交感神経が優位になっていた状態から、副交感神経優位に切り替わっていくからで、寝る前に本を読むことは、質の高い眠りにつながるというわけです。
また、読書量と年収は正比例の関係にあります。日本経済新聞は2009年の調査で「年収の高い人ほど書籍購入費用が高くなる」という結果を発表しました。
就寝前の読書というルーティンをつくれば、安眠につながるばかりでなく、年収も上がるという一石二鳥になります。
さらに、短期記憶から長期記憶(忘れにくい脳)への変換は、睡眠中に行われるという説もあるため、一石三鳥といってもいいかもしれません。